世界のXR(ARとVRヘッドセット)市場シェア: 2024年第3四半期

BrandsQ2 2023Q3 2023Q4 2023Q1 2024Q2 2024Q3 2024
Meta52%52%78%63%73%59%
Pico6%9%5%7%8%10%
Apple---16%3%8%
Sony29%22%9%4%3%7%
DPVR3%3%1%2%4%4%
Others10%14%7%8%9%12%

 

  • 2024年第3四半期には、世界のVRヘッドセットの出荷は前年同期比で4%、前四半期比で16%の減少となりました。前年同期比での減少は、有線VR(tethered VR; ケーブルが付くが、プロセッサやバッテリが別筐体になるので高性能)が大きく数を減らしたためです。
  • AppleのVision Proは世界での発売によって第3四半期は前四半期の倍を超える回復となりました。米国では需要は著しく低下しており、第3四半期の売上のほぼ90%は海外売上となっています。
  • 世界のARスマートグラスの出荷は前年同期比では31%減ですが、前四半期比では4%増となりました。前年同期比の大きな落ち込みは、2022年第1四半期以来のことです。ウェーブガイド方式(AR実現方式のひとつ。直接眼鏡のグラス部分に像をつくるので構造がシンプル)の販売が弱いことが大きな理由です。

 

世界のXR(ARとVRヘッドセット)市場シェア: 2024年第2四半期

BrandsQ1 2023Q2 2023Q3 2023Q4 2023Q1 2024Q2 2024
Meta51%51%52%78%64%74%
Apple----16%3%
Pico7%6%9%5%7%8%
Sony33%29%21%9%4%3%
Others9%14%18%8%9%12%

 

  • 2024年第2四半期には世界のVRヘッドセットの出荷は前年同期比で4%、前四半期比で28%減少しました。SonyのPlayStation VR2 (PSVR2)の出荷が大幅減となったことが要因です。それでも、前四半期の減少幅29%よりは若干緩和されています。
  • AppleのVision Proの出荷は、発売当初の勢いが消え、2024年第2四半期も大きく落ち込んでいます。Metaは好調で、2024年第2四半期は前年同期比37%増となり、世界のVRヘッドセット市場の80%を獲得しています。これはMeta Quest 3の販売の勢いが続いているからです。世界のVR市場では、当初の熱気が冷めて、寡占化が進んでいます。トップ3社の第2四半期におけるシェアは90%を超えています。
  • 世界のARスマートグラスの出荷は2024年第2四半期に前年同期比で13%、前四半期比で23%減少しました。これまで2023年第3四半期以来3四半期連続で続いていた成長が途切れたことになり、ARスマートグラス市場がターニングポイントに来たことを示しています。
  • 現在主流の、ビデオ視聴用のバードバス方式(ハーフミラーを用いる方式)は、技術志向のメーカーが多く商品化を進めてきた結果、需要が飽和したとみられます。一方で、MicroLEDやウェーブガイドを用いた情報表示用の製品は、まだ技術的に発展途上のため、用途はニッチに限られるでしょう。
  • 世界の2024年第2四半期におけるAR/VR市場のシェアは以下の通りです(出荷台数ベース):
    • Meta 74%
    • Pico 8%
    • DPVR 4%
    • Apple 3%
    • Sony 3%
    • Others 8%

 

世界のXR(ARとVRヘッドセット)市場シェア: 2024年第1四半期

Source: Global XR (AR & VR Headsets) Model Tracker, Q1 2024

 

BrandsQ4 2022Q1 2023Q2 2023Q3 2023Q4 2023Q1 2024
Meta83%51%51%52%78%64%
Apple-----16%
Pico7%7%6%9%5%7%
Sony-33%29%21%9%4%
Others10%9%14%18%8%9%
  • 2024年第1四半期に、世界のVRヘッドセットの出荷は前年同期比で29%、前四半期比で51%減少しました。連続での落ち込みとなりましたが、第1四半期は、北米ではブラックフライデー後、中国では11月11日の独身の日後にあたり、季節性の販売低調があったことも、原因の一つです。
  • AppleのVision Proが発売されたにもかかわらず、2024年第1四半期も、世界のVRヘッドセット市場は弱含んだままでした。Metaは出荷が減少し、SonyとPicoにとっては在庫の増加が大きな課題になりました。そんな中、企業向VRセグメントは消費者向けよりも安定した業績をみせました。
  • 世界のARスマートグラスの出荷は、2024年第1四半期に前年同期比40%伸びました。それでも前四半期と比べると45%の減少になっています。これは、北米のブラックフライデーと中国の11月11日独身の日のプロモーション期間の終了の影響です。
  • 2024年第1四半期で注目すべきは、VITUREがARスマートグラス市場で第3位に入ったことです。同社が中国で発売したOneシリーズが貢献しました。